Route Seven

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日本発の技術が広がらなかったのは

2017年9月19日

先週から、ブログ執筆者が増えています。誰が書いた文章かはできるだけ分かるようにしたいと思いますが、なかなか難しいかもしれませんね(笑)。

おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信。日本のフィーチャーホンでは10年ほど前からすでに搭載されていた機能ですね。でもスマートフォンでは世界標準とはならなかったものばかり。

 

皆さんもご存じの通り、Appleの旗艦製品であるiPhoneは発売から10年を迎え、世界的に見ればこれ以上シェアの拡大を見込むことが難しいほど、市場を席巻してしまった。オシャレで高機能で高価格なiPhoneは手に出来る層が限られ高嶺の花になっていて、ミドルグレードやエントリーモデルのスマホが主流となっている国もある。

 

そんななか昨年登場のiPhone7をいままで使えなかったモバイルSuicaへ対応させたことは、日本市場でのシェア拡大を明確に狙ったものだったと言っていいと思う。ですが、モバイルSuicaの機能自体は10年も前から使われていたもので、特段真新しいものでもないし、対応の仕方も特殊だったにもかかわらず、メディアはこぞって「すごいすごい」と取り上げた。先週発表されたiPhoneXにおいてもFaceIDなる顔認証が用いられているが、光彩認証の技術自体はすでに数年前からスマートフォンには採用されてきたもので、特別に新しい技術ではない。ただ、やっぱりメディアは「指紋認証がいらなくなった。顔で判断するなんて!」とはやし立てる。言い換えると技術がすごいのではなくて、Appleの機能を紹介する力すなわち「プレゼン力」がすごいんだと感じた。

 

昔から日本人は(最近もだけれど)派手な宣伝や広告を好まない。口コミで広がったり、良いものを作れば消費者は必ずついてくるといった特有の美学を持っていると思う。ただ、ことケータイの世界においては、日本が10年近く進んでいたにも関わらず、スマートフォン市場への転換が遅れたことによって失ったものはとてつもなく大きい。NEC、パナソニック、東芝が事業撤退、富士通も事業売却を決め、ソニーとシャープが細々と生き残っているだけになってしまった。

 

国内IoTの世界でも基盤にGEなどが主導するマインドスフィアの採用が続々と決まっており、本当にそれで大丈夫なのか少々心配になってきた。

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