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eSIMと言う名の飛び道具?それとも足枷?

2017年9月25日

昨今の健康ブームの影響も受けて、ウェアラブルデバイス市場が活況なのは皆さまもご存じの通りですね。歩数計としての機能しかなかった登場間もないモデルと比較すると、心拍計がついたうえに非常に細やかな睡眠モニタリング機能が付き、高い防水性能と相まって魅力的なデバイスがたくさん出回るようになってきました。特にランニングや山登り、サイクリングなどの運動時の強度計測や体調管理などに活用されるケースが増えてきましたよね。

 

ウェアラブルのメジャーは私は米ガーミン社だと思うのですが、広く一般にウェアラブルを注目させたデバイスとしてAppleWatchを忘れてはいけません。デビュー当初は電池が一日持たなかったり色々と残念な仕様であった印象が強いのですが、今回登場した第3世代のモデルでは、ついにウォッチ単体で通話可能なLTEモデルを登場させて来ました。そしてそれに呼応するかのように大手3キャリアが「1回線の契約で複数デバイスによる通話」を可能にするオプションプランを発表しました(ドコモはワンナンバーサービス、auはナンバーシェア、ソフトバンクは執筆時点で名称未発表ですがeSIMプラットフォームでの提供はリリース済みです)。

 

とまあここまでは良かったんですが、auについては子会社が運営するUQモバイルでは同サービスに非対応とのことですし、ソフトバンクにしてもサブブランドのワイモバイルでは利用不可能なようです。ということは数多くのMVNOを抱えるドコモでもMVNOは非対応なようで、当然MVNO事業者のわが社としても「ざんねん」と言う感じです。

MVNOにおいては現状キャリアから解放されている部分のみならず、SIMをキャリアから貸与を受けずに自社独自に発行可能な形態のMVNO事業者であってもeSIMプラットフォームでの提供は不可能なのだとか。それってとんでもなくハードルが高くないですかね?

 

直接的なAppleWatchの市場は小さいかもしれませんが、組込まれたSIM情報を遠隔で書き換えることができ、かつ同じ情報をもつクローンが生み出せるとすれば、それはIoT市場においてもとっても魅力的に映る秋の夜です。

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