
現場の声から見えてきた、建築現場で求められるカメラの形
御社の事業内容を教えてください。

建築現場向けの業務支援カメラサービス「コネクトカメラ」を開発・提供しています。
出発点は、Wi-Fiのない場所で通信ができれば、便利になることがあるのではないかという考えでした。病院や店舗などには、すでにほとんどWi-Fiが整っています。反対にWi-Fiがない場所を探していく中で行き着いたのが、建設現場です。カメラとSIMを組み合わせ、遠隔で現場の様子を確認できれば、現場の業務に役立つかもしれない。そこから事業が始まりました。
サービスを提供しているお客様は、どのような方々ですか?
住宅を建てる会社様を中心に、土木工事やビルの建設現場など、さまざまな現場でご利用いただいています。建設業といっても工事の種類は幅広く、現場によって求められることも異なります。
中でも、住宅の建築現場では、特にニーズが高いことが分かってきました。大きな建物の工事では、現場監督が常駐するケースが多い一方、規模のそれほど大きくない住宅の工事では、1人の現場監督が5現場、10現場を同時に受け持つこともあります。現場に常にいることができないため、遠隔で現場の進捗状況を確認できるサービスが、現場監督の置かれている状況に合致していました。
こうした現場ごとのニーズや、サービスが特に役立つ場面を理解するために、お客様の声をたくさん伺いながら開発を進めてきました。同じような工事をされている会社様でも、大変喜んでくださる方もいれば、利用が定着しない方もいます。その違いがどこにあるのかを考え続ける中で、理解が深まっていきました。現在もさまざまな現場の声を伺いながら、試行錯誤を続けています。
現場に関わるすべての人に「いいね」と思ってもらえるカメラに
ほかのカメラとの違いを教えてください。
現在の現場カメラの多くは、動画をクラウドに保存しています。しかし、Wi-Fiのない現場でSIMを使って動画を送り続けると、24時間365日、屋外で動画を視聴し続けるのと同じことになり、通信費が高くなります。動画をクラウドに保存する費用もかかります。
そこで、現場のカメラで常に動画を見る必要が本当にあるのか、という点から考えました。地元の工務店にお話を伺っても、「監視したいわけではないので、動画でなくてもよい」というご意見でした。現場監督が知りたいのは、工事が予定どおり進んでいるか、職人が予定どおり入ったか等という進捗状況です。
そのためコネクトカメラでは、1分ごとの写真をクラウドに保存しています。動画はカメラ本体のSDカードに残し、盗難や事故など万が一のときに確認できるようにしています。必要なものを、必要な分だけ通信する。これが最も大切にしているポイントです。通信費とクラウドの保存費用を抑えることで、導入しやすく、継続して利用しやすい料金を実現しています。
ただし、費用を抑えられても、使いにくければ意味がありません。1分ごとの写真は、24時間で最大1,440枚になりますが、自社で開発した専用アプリでは、ボタンひとつでタイムラプスとして再生できます。訪問できなかった現場の様子を、夕方に事務所や外出先で確認でき、気になる場面は止めて細かく見ることもできます。動画の場合、8時間分を倍速で再生しても4時間かかります。費用を抑えながら、使いやすさはむしろ高まる。この点に共感していただいた会社様に、導入いただいています。
開発で苦労されている点はありますか?
IT企業の目線では、機能が多いほど良いシステムだと考えがちです。自社製品であれば、機能を次々に追加することは難しくありません。しかし、ユーザーが本当にそこまで求めているのか、機能を増やすことで使いにくくならないかという判断が、必ず必要になります。現場の方の気持ちやITへの慣れに寄り添い、現場で本当に使える機能だけを形にして残していく。この点は現在も難しいところです。
また、現場監督だけが助かるものを作ればよいわけではありません。私たちのお客様は建設会社やハウスメーカー、工務店などですが、そこから仕事を受けて実際に工事を担っているのは、大工や基礎工事の業者などの職人です。カメラが設置されると、職人の方には「これまでなくても仕事はできていた」という気持ちも当然あります。その気持ちをないがしろにせず、現場監督も職人も助かり、家を建てるお施主様の安心にもつながる。工事に関わるすべての人が「これはいい」と思えるサービスでなければ、使われず、広まっていきません。
現場の仕事をITに合わせてもらうのではなく、現場で働く方々に寄り添ったサービスをつくる。「IT企業から見て便利そう」では通用しない。そこが最も難しく、大切なところだと考えています。
通信の「いま」が見えるから、すぐに対応できる!
Route7を選んだ決め手を教えてください。
使い方に合わせてプランを選べる自由度の高さです。私たちのカメラの通信は、ほぼすべてが上り(カメラからクラウドへの送信)です。動画の視聴やWebの閲覧といった一般的な使い方とは反対で、下りはほとんど使いません。また、1分ごとの写真のため急に通信量が増えることもなく、毎月の使用量を計算できます。こうした使い方に合わせて最適なプランを組んでいただける点が、私たちのサービスと非常に合っていました。
最適なプランを決めるには、どのくらいの通信量を使うのかを正しく見積もる必要があり、その点は負担に感じていました。しかし、「この写真の容量でこの使い方であれば、通信量はこの程度、速度はこの程度が適切」と、専門的な知識をもとに一緒に計算していただけたため、安心して運用できるという自信を持って導入を進めることができました。
また、管理ツールの「My Route Manager」のように通信を細かく確認できる仕組みは、当時ほかにはありませんでした。
Route7をどのように活用されていますか?

カメラにRoute7のSIMを入れて使用しています。特に役立っているのが、My Route Managerで、SIMごとの通信状況を5分ごとに確認できることです。
お客様から「カメラの映像が更新されない」とお電話をいただくことがあります。その際、原因がカメラなのか、現場で電源が抜けているのか、通信なのかを切り分ける必要があります。ほかの会社のツールの多くは、1日ごとの通信量の合計しか分からず、その時点で通信が止まっているかどうかを確認できません。
My Route Managerでは、通信が流れていれば電源は入っていると分かるため、カメラ側に原因がある可能性が高いと判断できます。通信が止まっていれば、電源が入っていない可能性も考えられます。このように、原因を絞り込むことができます。現場のカメラは仮設の電源から電気をとっているため、電源が抜けてしまうことも少なくありません。その場合は「もう一度、電源をご確認いただけますか」とご案内できます。
こうした情報がなければ、「交換用のカメラをお送りします」という対応しかできず、お客様にも私たちにも手間と費用がかかります。トラブルの際に、すばやく的確にサポートできる。これは大きな強みだと考えています。
今後の展望を教えてください。
現在は住宅の現場を中心にご利用いただいていますが、土木やビル、商業施設、病院の建築、リフォームなど、カメラが役立つ現場はさまざまです。現場によって、工程の管理に加えて安全や品質の管理が求められるなど、課題も異なります。それぞれの現場の声に耳を傾けながら、サービスを磨いていきたいと考えています。
人から教わった言葉ですが、「うまい素うどんをつくれ」という言葉を大切にしています。うどんそのものがおいしければ、天ぷらをのせても、わかめをのせても、きつねをのせてもおいしい。しかし、うどんがおいしくなければ、何をのせてもおいしくはなりません。まずは、現在ご利用いただいているお客様に120点と言っていただけるサービスをつくりきる。その中で培った経験や技術を生かし、さまざまな建築現場でお役に立てるサービスへと育てていきたいと考えています。
ピクトグラム株式会社
設立 2022年12月
資本金 13,506,150円(資本準備金含む)
URL https://pictgram.co.jp/
事業内容
・建築現場向け業務支援カメラサービス「コネクトカメラ」の開発および提供
